娯楽感想文

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くしやきさんの道具箱1段目【Microsoft Word:ルビ編①】

 私が小説を書くにあたっておもちゃにした機能をぼちぼち紹介していこうかなという気持ちで建造された道具箱シリーズ第一弾。

 基本的にはグーグル先生を使って一生懸命調べた知識がベースなので、こんなの読まず他の技術系ブログ呼んだほうがためになるかもしれませんが、私の記事がためになることがまず間違っているのでそれでいいのです。

 今回は文書作成ソフトであるWordのルビ機能についてのお話です。

 新人賞とか公募向けの文章にルビふりてぇな……という人向け。PDFで提出! なら使えると思います。

 ちなみに使用しているのはMicrosoft Word 2016 64bit版でございます。Macの人はごめんな。

 

 さてルビといえば、 『 氷雪の息吹 ダイヤモンドダスト 』のように文字の上に表示されるあれです。

 こんな中二病ちゅうにびょう的役割ではなく、文字の読み方を記して読みやすくするような使い方が本来のものでしょうね。

 Wordのツールバーの中だと下図のところにあります。

fig.1 ホームタブと『ルビ』機能の図

 わかりにくいですが、

 紫消しゴムの『A』と捕らわれの『A』の間にある『』というボタンです。

 ルビを振りたい文字を選択してボタンをクリックすると、ルビを振る用のウィンドウが出てくるので、後は枠に入力すればそれだけでルビを振れます。

fig.2-1 実際にルビを振る図

fig.2-2 実際にルビを振った図

 天下のWord様には『カタカナ』や『漢字(送り仮名込み)』に自動でルビを割り振る機能というのがあって、今回のように素直な読み仮名なら自分でわざわざルビを書く必要もありません。

 とても便利。

 もちろん好き勝手にルビを振ることもできます。

fig.2-3 好きにルビを振る図

 一文字にルビを詰め込むと余白が開いちゃうので注意してね。

 といったところで、みんなもルビマスター!

 

 

 ……といいたいところですが、残念ながらそうはいきません。

 といいますのも、最初に書いたようにWord機能でルビを振りたいなーと思って試行錯誤する物書きさんは、大体が公募向けだったりといった『行・文字数が指定されている』文章を書いているだろうと勝手に思っているからです。

 自分はそうです。

 では実際に文章中にルビをぶち込んでみましょう。

fig.3-1 文章中にルビをねじ込んだ図

fig.3-2 章中にルヒ

 ぱっと見でわかるこの違和感

 そう、なんとルビを差し込むと、その分行間が空いてしまうのです。

 ダレ得なんだよそれ。だれがそんなことしろって言ったんだよ。

 

 とはいえ、「さて困ったことになったぞ……」と頭を悩ませる必要は特にないです。

 私がすでに悩んでいます。そして解決しています。

 ようは、勝手に行間を開こうとする悪い子を矯正してやればいいわけです。

 

 というわけで、まずは文章中の適当な場所を左クリックなんか色々出てくるメニューの中から『段落(P)』というものを選んでください。

 するとなんやようわからんウィンドウが出てくるはずです。

fig.4-1 『段落』の図 

fig.4-2 ようわからんウィンドウの図

 このウィンドウをよくよく見ると、真ん中あたりに『行間(N)』という項目があります。今は『最小値』になっていますね。

 ここでピンとくる人は多いことかと思いますが、ここを弄るといろいろ解決します。

 ではどうするかといえば、まずクリックです。

fig.5-1 行間の項目をクリックする図

 するといろいろと出てきますが、我々はこれを固定してやりたいというお話だったので『固定値』を選択します。

fig.5-2 行間を固定値にする図

 こうすることで、隣にある『間隔』の数値に従って行間が固定されます。

 とつぜん20ptにしたのは12ptだと狭すぎるからです。すし詰めです。

 ちなみにここで間隔をいじることである程度行数を操作できるので、新人賞向けに書式合わせるのにっちもさっちもいかねえよぅという場合は藁にも縋る思いで試してみてください

 そして出来上がったのがこちら。

fig.6-1 行間が固定された文章の図

fig.6-2 固定されナ

 やったー! 行間が無駄に開いていないぞ! 

 と喜べる方はまあいないでしょう。

 

 ルビ、切れとるやん……?

 

 冷静に考えれば行間開かないと差し込めないようなルビを無理に行間詰めたらそりゃあ見切れますよねっていう。

 ルビマスへの道は遠いぜ

 さてではこの場合どうするかといえば、ルビの位置やサイズを調整します。

 ほかにも方法があるのかもしれませんが、とりあえずこれでMF文庫Jさんには弾かれないことが分かっていますので(私調べ)これでいいんです。

 

 やり方ですが、フィールドコードという概念に触れます。

 まずルビを振った文章を左クリックしてください。すると表示される中に『フィールドの編集(E)』というものがあるはずなのでそれをくりくり。

fig.7 『フィールドの編集』の図

 そうするとフィールドコードとかいうよくわかんないやつが表示されます。

 コピペしてみると、こんなの。

 

 ”EQ \* jc2 \* "Font:游明朝" \* hps10 \o\ad(\s\up 9(れんしゅうむけ),練習向け)”

 

 なんこれ? と思った方。私もです。

 正直これについてわかっていることは私もあんまりないです。

 ただし、ちょっとおもちゃにしてやるくらいならわからなくたって支障はありません。使うところだけを拾い上げてみましょう。 

 

 ”EQ \* jc2 \* "Font:游明朝" \* hps10 \o\ad(\s\up 9(れんしゅうむけ),練習向け)”

 

 この『hps 10』というのがルビのフォントサイズ

 一方の『up 9』というのがルビの位置を表しています。

 試しに『hps 10 → 20』『up 9 → 5』というように書き換えてみます。

fig.8 フィールドいじりの図

 はい、このようにルビが大きくなって、位置は元の文字に近づきました。

 どうやらこのルビの位置というのは元の文字の正中線を基準としているようで、数値を0にすると完全に重なります

 これをいじることで、行間を維持したままにルビを完全に表示できるわけです。

 『行間:固定値:20pt』の設定なら、たぶん『up 7』くらいにしたらいい感じ。

fig.9 『up 7』にした図

 とまあこんな感じで、まずまずの結果ですね。

 あとはこの動作をルビを振った部分ごとにやればいいわけです。

 

 ルビを振った部分ごとにやればいいわけです。

 

 まあ簡単ですね!

 最大150ページありますけど!

 異能バトルとかだとルビ使い放題ですけど!

 

―――というわけで簡略化します。

 

 ようはすべての『up 9』が『up 7』になってくればいいわけです。

 そしてWordさんには文字の一斉置換というシステムがあるのでそいつを使いましょう。

 そのための下準備として、まずは文章中のルビを振った文字列すべてをフィールドコードで表示します。

 まずは『Ctrl と A』の同時押しで文章を全選択してから左クリックして、『フィールドコードの表示/非表示(I)』という項目を選びます。さっき使った『フィールドの表示』の下にあるやつです。

 すると、文章中のルビがすべてフィールドコードになります。

fig.10-1 『フィールドコードの表示/非表示』の図

fig.10-2 フィールドコードの図

 悲鳴を上げないでも大丈夫です。作業は一瞬で終わります。

 まずは『Ctrl と H』の同時押しで『検索と置換』のウィンドウを表示します。

 そして『up 9』という文字列を検索し、それらをすべて『up 7』へと置換してしまいます。ここで要注意なのは、『up半角スペース9』になっていることです。半角スペースを忘れてはいけません。クソがよ。

fig.11-1 置換する図

fig.11-2 置換された図

 『すべて置換』を押すと、文章中にある『up 9』がすべて『up 7』に置換されます。間違い探しかな?

 ともあれこれで、あとはまた全選択ののちに『フィールドコードの表示/非表示(I)』をすればフィールドコードが元の文章になって、万事解決です。

fig.12-1 画像を使いまわして説明する図

fig.12-2 完成図の図

 ……なんか重なってる気がするな。まあよし。各々いい具合を見つけましょう(なげやり)。

 こういう新しいおもちゃを手に入れるとつい使いたくなってしまうのが人間というもので、ろくに文章力もねえくせにいろいろと私は遊んだりしています。

fig13 文章で遊ぶ図

 こういうのをちゃんと一行に収められるという点でルビは便利ですね。

 ちなみにルビを振った文字列を太字にしようとすると元の文字列だけが太字になります。真ん中のはそれを使っているやつです。

 

 と。

 そんなこんなを書いているうちにこんな量になってしまったので、今回はここまでにしようと思います。

 ルビの機能をショートカットキーに当てはめるとか、スペースにルビを振る(参考例の左みたいなの)とか、そういうところもご紹介しちゃおうかと思ってたんですけど、それはまたの機会ですね。

 需要がなくてもやりますので、いつか誰かが参考にする時が……こねぇな。でもやる。私に需要があるのだよ……ッ!

 

 ところでこういう場合の締めはどうすればいいんでしょう。

 ちょっと定型文をまた考えときますね。

 次回までには考えときます。

 

 じゃあ、そういうことで。

 次の道具箱でお会いしましょう。